胃腸薬「セイロガン糖衣A」の製造販売元の大幸薬品が、表示名などが似ているとして
「正露丸件糖衣S」の製薬会社キョクトウに表示の使用差し止めや1,000万円の損害賠償
を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は20日、請求を棄却した。(敗訴ということ)
えっ? どうも腑に落ちないのは、この大幸薬品が「せいろがん」の類似他社を訴えた
ことは、既に裁判で「大幸薬品が独占するものではない」という意味の判決で決着がつい
ていたはず。訴えの観点が違うのかな?上告審だったのかな?
「せいろがん」は日露戦争の勝利の年だかに「征露丸」という名称で売られたが、後年
になって“ロシアを征服した”という名は不適切だとして「正露丸」に改められた。薬の中
では「アスピリン」などと同様に、一般名としての地位が確立された、数少ない医薬品の
ひとつ。「正露丸」は誰が商品名として使用しても商標権の効力は及ばず、権利侵害には
あたらない。げんにラッパのマーク(大幸薬品)でない正露丸も多数存在している。
そういえば、大幸薬品が喇叭(ラッパ)のマークを使っているのは大戦中の陸軍に正露丸
納入した栄誉があるようだ。そのためか旧陸軍で信号ラッパを用いて伝達用に吹奏されて
いた内の通称「食事ラッパ」(現自衛隊でも使われていると聞く)をCMで使っている。
だが、他社を権利侵害で訴えるほどの会社だから、そこは全く同じではなくて、ちょっと
変えてあるそうな。言われて聞くと、なるほどそうだ。
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