004.. もくもく
2007/01/04
 初仕事は、まだ正月休みの企業に出向いてサーバという機能のパソコンを交換するものだ。誰も使わない期間に手がけ、終了させる。私は誰一人いない所で、ただ黙々と仕事をした。
 2台のうち1台がなかなかうまくゆかない。実は年末にも手がけて、結果は失敗して断念。その後にいろいろ調べておいて、今回は再チャレンジ。今日こそは失敗できない。それなのに同じ失敗を繰り返し繰り返し行い、堂々巡りをしている。思考が固まっている。いらいらも手伝ってかなりの泥沼に落ちていた。(結果は無駄な時間を費やしたが、ともかく終えた)
 多少の差はあるだろうが、人というのは、本当に一人の時は独り言も、僅かなうめき声も上げないで、ただただ黙り込んでいる。周辺に人がいる時には、時にその人たちとは何の関係ないことでも独り言をつぶやいたりする。私もこの場合、周辺に人がいると「まいったなぁ」とつぶやいたり、「ちくしょう」と独り言を言ったかもしれない。そしてそれでストレスを解消したり、和らげたりして、良い結果が生じたように思う。
 悩みや苦しみは、人に話をすることで楽になることが多い。体が痛くて我慢できない時でも「痛い痛い」とわめくと一瞬でも解消し、または痛みが和らぐ。ぶつぶつ言うのもストレス解消にもなろう。話すこと、言葉に発することは、心や体の問題の大きな治療薬であるようだ。

003.. すらすら
2007/01/03
 思い出の多い古いミュージック万年筆が出てきた。楽譜を書くための横に細く縦に太く書ける万年筆だが、才能が無くまともに楽譜を書くことはなかった。代りに随分と原稿を書いてきた。今はインクは枯れ果て、新しいカートリッジを差してもなかなかインクが馴染まずすらすら書けない。ペン先を呼び水に浸すと薄い色で少し書けるが、すぐにかすれる。カートリッジを振ると内部のボールがカタカタと音を立てるが、結果はダメだ。無理にカートリッジを押さえつけるとボタボタっとインクが出てくる。それでしばらくは書けるが、またかすれて書けない。
 「すらすら」というのは「難儀なくできる」ことで、「すらすら書ける」とは、普通は人の才能に関して使われる「よどみなく」書けることで、こうして万年筆の性能が悪く「なめらかに」書けないという使われ方は少なかろう。“話す”ことに限っては別に「ぺらぺら」という妙な語感の言葉もある。この反対は同じように妙な語感で「たどたどしい」だろう。どれをとっても楽しくなる表現だと思う。
 私にはかみさんにすらすら言えない事情はいっぱいある。つい口ごもってしまう。「すらすら」の反語は「たどたどしい」ではない。テレビドラマの中で、取り調べの刑事が容疑者に「すらすら吐け!」と怒鳴る。容疑者はぺらぺらと喋り始めた。

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